カテゴリー: オープンソースAI

  • Boltz‑2:薬物設計を高速化するオープンソースAI

    MITとRecursionは2025年初夏、創薬支援AI「Boltz‑2」をオープンソースで公開しました。従来の自由エネルギー摂動(FEP)シミュレーション並みの精度を単一GPUで約18秒で達成し、計算時間を約1,000分の1、費用を約1万分の1に削減します。3D結合ポーズと結合自由エネルギーを同時に予測するジョイントヘッド構造を持ち、ステリッククラッシュを回避する物理的制御を組み込んでいます。drugdiscoverytrends.com

    特徴と利点

    特徴内容
    FEP級の精度数十億円規模の計算を18秒で達成し、創薬サイクルを加速
    ジョイントヘッド3D結合ポーズと自由エネルギーを同時に計算し、結果の一貫性を向上
    物理的制御ステリッククラッシュを回避する物理法則を組み込み、実際に近い複合体を生成
    制約の適用ポケット領域や誘導フィットを制御でき、化学者の要求に応える

    応用

    Boltz‑2は薬剤候補の選別を大幅に短縮し、医薬品開発の初期段階で有望な分子を迅速に評価できます。初心者プログラマーは、物理モデルと機械学習を統合する手法やオープンソースソフトウェアの意義を学べます。

    まとめ

    Boltz‑2は創薬のスピードとコストの壁を破り、研究者やスタートアップにとって強力なツールです。今後は分子設計の民主化が進み、より多様な創薬プロジェクトが可能になるでしょう。

    参考文献

    drugdiscoverytrends.com

  • gpt‑oss:初のApache2ライセンス大規模モデルを試す

    オープンソースコミュニティに朗報です。OpenAIが2025年8月5日に発表したgpt‑ossシリーズは、商用利用も可能なApache 2.0ライセンスで公開された大規模モデルです。Mixture‑of‑Experts構造により、コンパクトながら高性能を実現しています。simonwillison.net

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    特長のまとめ

    gpt‑ossシリーズの主な特長を表に整理しました。

    特長要点
    高性能と小型化の両立120bはo4‑miniに匹敵し、20bはノートPCでも動作可能
    Mixture‑of‑Experts構造アクティブパラメータを絞って効率的に推論
    高い知識性能GPQAで80%以上の正答率を記録
    徹底した訓練210万H100時間を投じCoT強化学習を実施

    120bと20bの比較

    用途に応じて適切なモデルを選ぶために、gpt‑oss‑120bと20bの違いをまとめました。

    モデル推論用メモリアクティブパラメータ総パラメータ備考
    gpt‑oss‑120b80GB約5.1B117B性能重視。サーバーGPUでの運用向け
    gpt‑oss‑20b16GB約3.6B21BノートPCやローカル環境で動作可能simonwillison.net

    使いどころ

    ローカル環境でのAI実験やプライバシー重視のアプリケーションに最適です。軽量モデルでもCoTを活用した推論ができるため、エッジデバイスでのパーソナルエージェントや独自のツール連携を構築する際にも有用です。

    参考文献

    simonwillison.net